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勉強と読書記録など

【読書記録1】世界一流エンジニアの思考法

読んだ理由

新年度の目標や方針を立てるにあたり、仕事の難易度に対して生産性を上げる必要が出てきたため。日頃のSEワークにおいて問題の本質にすぐ気付ける人と、そうでない私の違いは何なのかを確かめる。

 

著者

マイクロソフトのシニアSEでありながら三流エンジニアと自称している。ADHDの診断もあり、記憶力の重要でないエバンジェリストやPMスキルの方が高いとしている。

要旨

一流エンジニアはスペックの高さでできているわけではなく、思考法(マインドセット)、習慣の習得によって成るものである。

著者の主張

部分的に実行できていることも含まれているが、新しい気づきをメモ。

第1章 世界一流エンジニアは何が違うのだろう?

・メンタルモデルを使って仮説を立て証明し、その後手を動かす

・思いつきによる試行錯誤は悪である

・理解に時間をかける

理解とは構造を人に説明でき、即座に使えて、応用がきくこと。基礎練習に時間をかけることで、実践での解決が一直線になる。

・メンタルモデルとは、新しい状況に適用するための心の中のイメージや理論

著者は独自アレンジした「システム思考」でシステム全体の関連やフローをビジュアルイメージとして思考している。

 

第2章 アメリカで見つけたマインドセット

・Be Lasy、2割の仕事が8割の価値を生む、1番重要なものをピックアップする

・準備と持ち帰りをなくす、会議の場で完結できるようにする

・無理なく達成できるよう断りや方向転換で調整する

 

第3章 脳に余裕を生む情報整理・記憶術

・生産性はレベル1「ググらず実装できる」を増やすことで上がる

マルチタスクはしない、人に聞くなどして待ちにしておく

・説明可能にするにはブログに書く、コーネルメソッドノートを使う

・後で人に説明する前提だと、集中力や記憶力が向上し準備も減らせる

 

第4章コミュニケーションの極意

・情報量を減らす、聞かれたら追加する

・メモは他の人に伝える前提の形にする

・頻繁にクイックコールする

 

第5章 生産性を高めるチームビルディング

・各人の裁量の大きいサーバントリーダーシップ

・仕事を楽しんでいるか確認する文化

・アンブロックやキャリア支援のためのマネージャー

 

第6章 仕事と人生の質を高める生活習慣術

・各人が生産的な時間に働く

・定時で切り上げて生産性向上のために学習

・夜10時には寝る朝型生活で朝学習

・幸せだから成功する

・整理されすぐ取り出せる状態が完了

・30分の運動(HIIT、有酸素など)

 

第7章 AI時代をどう生き残るか?

・自分野でAIとアラインできるところを見つける

・時流に流されず専門性を磨く

・開発者の心を砕く批判文化が日本の課題

・今なすべきこと、Contributeを重視する

・自分の幸せを主体的に考え、仕事の仕方を選択する

 

感想と意見、疑問

   外資あるある、個人ベースではできていないことが詰まっており、振り返りにちょうどよかった。

   前半は特に個人レベルで変えられることを抜き出して実践できそうだ。後半は外資特有の文化なので体感済みで復習に近かった。国内企業の人はこれを実践できるのだろうか、少なくとも顧客をこの本のスタイルに変えるのは難しく、上がこのマインドを持てるかが肝だと感じた。

   特にADHDの特性からクイック&ダーティでも概略がつかめればできる仕事は得意というのは非常に共感でき、私自身も同様に講演や研修は得意だ。一方で、地道な理解が必要な長期プロジェクトやコーディングは大の苦手である。私は著者と異なりSE自体へのこだわりは薄いため、今後の道筋を決めるにあたって得意な方向に進むのか、方向転換をして基礎の理解を深めるべきかは更に検討したい。

   5章以降はありがたいことに現職場そのものなので「わかる」の一言に尽きる。私には合うものの、上から指示される文化に馴染んで合わない人も見かける。生活習慣も10時就寝で朝好きな時間に作業を進めており、運動ができていないことを除けばほぼそれである。

   AIは仕事柄絡むことが多いが、仕事がなくなるというよりは共存の仕方を地道に考えて試していくものだと考えている。協働のロードマップは個々人の中にもあるべきなのだが、なんでもやってくれるor仕事がなくなる、といった声は10年かかってもあまり変わらずで食傷気味。そんな間にも試している人は前進しているのだなあ。

 

Next Action

「その場に集中する」「調べずできることを増やす」の2点。本書だと以下が該当する。

・準備と持ち帰りをなくす、会議の場で完結できるようにする

・生産性はレベル1「ググらず実装できる」を増やすことで上がる

・後で人に説明する前提だと、集中力や記憶力が向上し準備も減らせる