ねこ吸いたい

勉強と読書記録など

【Tableau Tips】Google Driveでお手軽にカスタム形状をつくる

数値情報をお手軽に見やすくしてくれるカスタム形状、便利ですよね。これはデフォルト形状ですが、数値の上下を表現するのによく使います。

ちょっとしたリンク用ボタンとしても便利。ここをクリックすると遷移するんだな~というのが不慣れな方にも一発で伝わります。これはグレーの枠だけカスタム形状で作って、上からテキストを重ねています。色は任意の値を入れて指定しても、項目ごとに変えてもOK。

でも大体社用PCだと使い慣れた画像編集ソフトは入っていないし、背景透過済みの素材を作る方法ってあるの?と思っていたらちょうど身近にありました。

Google図形描画を使ったカスタム形状

Google Driveから気軽に作れます。会社で許可されてない方はごめんなさい。こんなの気づくか!というところにありました。

新規 > その他 >Google図形描画

そんなところにおったんか!

さっそく形状を配置して、角を丸めて...

図形を選択した状態で、PNGでダウンロード!複数選択でもいけます。

画像は透明な部分も含めて全体が保存されてしまうので、必要なところだけ切り取って保存します。わかりやすいように大きめの選択範囲を指定していますが、実際には誤クリックを防ぐため、透明範囲は大きすぎない方がよいです。

これをマイ Tableau リポジトリ の「形状」フォルダに保存して完成!

簡単に枠や図形が作れるので、少し凝った見た目やクリックする場所を目立たせるのに一役買ってくれます。

注意点

便利なカスタム形状ですが、ひとつ注意点があります。それは「文字を入れないこと」です。

文字を入れたカスタム形状ももちろん作れますし、Desktopではきれいに表示できます。しかし、最近気付いたのですが、Tableau ServerやCloudへパブリッシュした際、文字が潰れてぼやけた表示になってしまうことがあります。ビューがWebブラウザーでぼやける の解決策も試しましたが、効果なしでした。

カスタム形状の作成のヒント(Tableau Help)にも細かい注意書きはあるのですが、32 × 32 ピクセルの小さいサイズの画像が推奨です。また、色を変更したり他の文字を入れたりしたいことを考えると、その名の通り「形状」を登録するのがよさそうですね。

 

オリジナルのカスタム形状でよきVizライフを!

 

 

 

 

【Tableau Tips】明細表示を軽くする

   TableauはVisual Analyticsを得意としていますが、とはいえ現場では明細表示が必要になることがあります。一方で、データポイントが多いと表示が遅くなるよとはよく言います。それでも、どうしても明細が必要なときにやっておくとよい工夫を紹介します。

 

複数フィルターの一括適用

   ひとつのフィルター内で項目を選んだら適用するボタンはもともとありますが、複数のフィルター条件が決まったら適用する機能はありません。これを複数フィルターで実現する方法です。

 

必要なもの

   作用する順番に並べています。件数確認シートは、多すぎたらもう少し絞り込んでから見てもらうためのおまけです。

  • フィルター
  • (option)表示件数シート
  • 適用ボタン
  • 明細シート

適用ボタンをつくる

   まずは適用ボタンを作ります。ボタンと言っていますが、フィルターの設定内容が最初に適用されるのはここです。このシートを選択したら、明細にもフィルターがかかって表示される仕掛けになっています。

  1. 行をダブルクリックし、'明細を表示'を入力
  2. マークを多角形にする
  3. マークの詳細に、フィルター対象の項目を入れる

あとの表示はお好みで。

 

(option)表示件数シートをつくる

これは件数をマークのテキスト欄に入れるだけ。~件 Hitのところや表示位置はお好みでどうぞ。

明細シートをつくる

行にほしい項目を不連続で並べるだけ。項目数が多いときはあらかじめフィルターをかけてから作業しています。

 

ダッシュボードに配置する

ここからが本番です。まずは各シート、フィルターを配置します。フィルターの適用先は表示件数、適用ボタンシートにします。フィルター選択のたびに明細シートを処理させない構成ですね。

次に、適用ボタンを押したら明細が現れる仕組みです。ダッシュボード > アクションから...

フィルターアクションを追加します。

設定はこれだけ。適用ボタンを「選択」したら、そこにかかっているフィルターを明細シートに反映します。もしボタンを再度押すなどして、選択項目をクリアした場合は、明細表示は消えます。(すべての値を除外)

 

完成!&注意点

これでPublicにアップロードしたVizと同じように動くようになります。これで大量の明細を表示するタイミングを減らすことができるため、ストレスを減らすことはできるはずです。ただし、裏でフィルター処理自体はかかっているため、明細表示をしない、データは多すぎないほうがよいに越したことはありません。

 

Tableauどこまで覚えるか問題

   Tableauってどうやって勉強したらいい?計算はどこまで覚えればいい?と思うことが多々あります。2年半前、触り始めた当初は確かに本を買ったり、公式資格を取ったりもしました。色々試した結果をメモっておきます。

普段のVizでよく使うことを覚える

   私の場合、まずはこれで覚えることを絞ってしまいます。複雑な計算やTipsも日常的に使うなら覚える価値がありますが、数ヶ月に1回だとすぐ忘れてしまいます。Tableauがメインのお仕事や趣味ではなく、本業が忙しい方ほど覚えることを減らしたほうがお得だと思います。

   逆に、頻出ですぐ取り出せると捗る要素はこのあたりです。DATA Saberプログラム内で網羅できますね。私の場合は動画やユーザ様のブログ、公式Knowledge Baseで覚えました。

   また、Desktopを触ってから早いうちに、Prepを使い始めるのも近道です。Desktopで不便を感じるデータがPrepで瞬殺、ということもよくあります。

知らないことはVizにできない

   一方で、見たことのないデザインはいきなり作ることはできません。絵を描くときに知らない構図やモノが描けないのと同じで、やはり一度作って引き出しを増やすのは重要です。

   そこでTableauでおすすめできるのはVizの写経です。どういうことかというと、Tableau極めるWorkout Wednesdayなどでこれ作りたいな、と思ったものをピックアップします。1から作るチャレンジも勉強になりますが、全部やるととても時間がかかるのでワークブックをダウンロードして、どういう設計思想なのか、どんな機能が役に立つのかを読み解きながら新しいダッシュボード上に作ってみます。

   意味があるのか?と言われるとこれがとても役立ちます。パラメータや書式設定、応用的な日付計算など、とてもできないと思っていたことが実は既存機能で十分できることがわかります。1からは作れなくても、「できる」ことを知っておくと、後から簡単に引き出せます。同じ理由で、今は使わなくてもそのうち出番のありそうな記事は逐一ブックマークしています。

アップデートで使わなくなる知識

   一方で、今まで一生懸命ほかの機能で実現していたことが、Tableau側のアップデートで必要なくなることもあります。Ideasの投票や様々な声が反映されたありがたい結果ではありますが、儚くも不要になる知識も結構あります。書籍だと古くなってしまう知識が多いのもさみしいところ。

   個人的にバージョンアップで最近解決された問題はこのへん。2023年は特にPrepの更新が沢山ありました。

少ない手間で価値を最大化しよう

   私はTableauが好きですが、それでも業務を円滑に進める手段のごく一部です。全てを覚えることよりも、結局は何を解決したいのか?誰が見るのか?どんなアクションを取るのか?の方が大事です。

   私がTableauを始めるきっかけになったVizは棒グラフを組み合わせた、デフォルトカラーの青とオレンジの工数管理表でした。それでもスプレッドシートで集計したものより何倍も早く読み取れ、誰の工数を調整すべきか一瞬で理解できました。

   というわけで、先人の知恵を活用して短時間でVizにして、どんどんフィードバックを反映していくサイクルを回すのがおすすめです。

【Tableau Tips】Tableau Pulseのメトリクスを作ろう

   生成AIブームの真っ只中、TableauにもPulseという機能が実装されました。これまでVisualizeを売りにしてきたTableauで、メトリクスを中心としたこの機能でどんなユースケースが生まれるか楽しみです。

   今回はまずこの機能を使うための、お手持ちのデータで気軽に試す方法にフォーカスしてみます。

機能の概要はざっくり以下からどうぞ。

Pulseの何がうれしいの?

   Pulseは簡単に言うと、今日を起点とした数値の変遷を見て、気になった箇所を生成AIと一緒に掘り下げていくものです。

  • ダイジェストがメールやSlackに届く
  • 特に変化の大きいメトリクスを画面上で深堀りする
  • 結果をシェアする(この機能は今後)

   分析者の中にはダッシュボードでいいのでは?と思われる方もいるかもしれません。しかし、ダッシュボードを全ての人に使ってもらうのは容易ではないのも事実です。シンプルにKPIを見たい忙しい方が、必要なときに質問できる点でPulseは新しい武器になるかもしれません。

  • そもそも作成が簡単
  • ダッシュボードを見ない人でも生成済み質問と自然言語で分析できる
  • 分析者でもデータの傾向に簡単に気付ける

さっそく試してみる(2024年4月時点)

   まずは試してみましょう。メジャーバージョンアップよりはるかに頻繁に更新されているので、詳細はお使いの画面を参照してください。Tableau Cloudにログインして、設定からPulseが使えるようにしておきます(要サイト管理者)。

そしてPulseのメニューから次の画面に入ります。

 

   ちなみに、最近までTableau Cloudのホーム画面に戻るボタンがなかったのですが、気がついたら追加されていました。

   New Metric Definitionから、とりあえず新しいメトリクスを作ってみましょう。データソース選択画面で、適当に入れておいたサンプルスーパーストアを使って、売上をオーダー日で...

   Nullになりました。Month to Date(今月頭から直近まで)なので、古いデータだと何も見えません。

直近のデータが必要

   というのがPulseを試すときのあるあるです。デフォルト表示では今日を基準としてMonth to Date、つまり月初からの動きを表示するため、直近データの入っていないサンプルスーパーストアでは数値がないよ、と言われてしまいます。

   でもサンプルスーパーストアやいつも使っているデータで試してみたくないですか?そんな時は、計算フィールドで日付を読み替えてしまえばいいのです。

計算式で直近のデータにする

   というわけで使いたかったサンプルスーパーストアをデータソース画面から編集してしまいます。お手持ちのリアルタイムでないデータでももちろん同じ手法が使えます。Excelで調整してもいいのですが折角Tableau使っているので。対象のデータソース画面で、編集を選んで...

   計算フィールドを使って、Pulse用の日付を作ります。いつでも今日周辺の日付が出てきてくれるので、紹介にはもってこいです。

計算式はこうです。オーダー日の最新日と今日の差を計算し、日付に追加しています。

//②オーダー日に日付を追加する
DATEADD('day',
//①オーダー日の最大値と今日の差分を取る
    DATEDIFF('day',{MAX([オーダー日])}, TODAY()) ,[オーダー日])

これを保存して、Pulseでメトリクスを作ってみましょう。

メトリクスを作ってみる

   さてここからは英語ですがメトリクスを作ります。英語だと厳しい場合はブラウザ機能で翻訳もできるのですが、たまにエラーになります。設定項目はパターンが決まっているので、一度覚えてしまえば英語で困ることは少ないと思います。

 

まずは名前を選んで、

 

   数値(Value)を選んで、合計や平均などの集計形式を選びます。合計(Sum)の場合は累計(Cumulative)にするかのオプションがあります。

   フィルターをあらかじめかけたい場合は、下の「Add Definition Filter」でディメンションを追加しておきましょう。

 

   使いたい時系列、今回は先ほど作ったPulse用日付を使います。

 

   Viewerなど閲覧者が自由にフィルターをかける設定はオプションです。部門ごと、製品ごとなど自由に切り替えてもらう場合はこちらを追加しておきましょう。

 

   最後に数値の単位を決めます。Currencyはまだドルしかありません。単数形・複数形もどう機能しているかいまいちわからないので、現時点ではメトリクス名に「売上(円)」「消費電力(kw)」とか書くのがわかりやすいです。

 

   ここまで設定できたらお隣のタブで数値の上下と良し悪しを定義します。増えたら嬉しい場合は「Favorable」、減ると嬉しい場合は「Ungavorable」、どちらでもない場合は「Neutral」です。これで数値変化に伴って、良い変化は緑、悪い変化は赤というようにPulseが色付けしてくれます。

   それから下はPulseがデフォルトで出すインサイトの要否設定です。最初から全部オンになっているので、いらないものがあればオフにします。勝手に出てくる分には困らないので、そのままにしておいてもいいかもしれません。

メトリクスをフォローする

   メトリクスができたらフォローします。フォローしないと、Pulseの最初の画面に出てきません。他のユーザにフォローさせることも可能です。

   また、フォローしておくと連携したメールアドレスやSlackアカウントに定期通知が届きます。タイミングは右上のPreferencesから日次、週次、月次までは選べますが時間は午後1時前後で固定です。アップデートに期待です。

どう使うか?

   ダッシュボードの見方を覚えるのが大変な人にはシンプルでいい機能かもしれません。Pulseを入口に、当然にデータを見て仕事するようになったら嬉しいですね。

   あとはダッシュボードを作れる人でも、日々の傾向をPulseでウォッチして新たな切り口を発掘し、ダッシュボードに反映なんて流れも考えられます。

   いずれにせよ、データは数値や切り口、日付が含まれ、日々更新されるデータである方が効果が増します。このあたりの整備ができているところから、Pulseに食べさせてみたいところです。

【読書記録2】言語化力 言葉にできれば人生は変わる

読んだ理由

 日々の短い会議の中で、的確に共通課題を定義し、解決策を合意することに苦慮している。的確な表現ができれば、より円滑にコミュニケーションができる場面も多々ある。人間は日頃から考えていることしか言葉にできないとか、現状を言葉にすることで課題が見えるとはよく言うが、どのように実践すべきかを探りたい。

著者

 1983年生まれ。博報堂で「やっちゃえNISSAN」などのキャンペーンを手掛けた後、2017年に独立。株式会社GOを設立し、企業や自治体の課題解決に挑む。著書に『アイデアのつくり方』『未来をつくる最強のアイデア術』など。

 

要旨

 普通の人が言葉で世の中を動かせる時代になった。素早く的確に言葉を口にするにはプロセスがあり、更に強い言葉や人を動かす言葉をつくるにはそれぞれポイントがあり、使い方次第で相手との関係構築ツールにもなる。個人としては人生の目的を定義し、過去の出来事も力に変えることもできる。

著者の主張

序章 すべては言葉で変えられる

 SNSを通じて誰もが言葉を駆使して何かを変えられる時代になった。「イクメン」「おひとりさま」といった言葉ひとことでも社会現象を起こせる。

 また、著者の家が破産した経験から「LIFE is Contents」という考え方も前向きな姿勢を持つのに効果的だとしている。一見マイナスな苦境でも、ネタや武器、財産に変えることができる。さらに、努力をせずに結果を出すための努力に注力することで、仕事を面白くできる。

 

第1章 「言葉にする」方法

 言語化にはステップがある。

  1. スタンスを決める
  2. 本質をつかむ
  3. 感情を見つめる
  4. 言葉を整える

 ニュースなどを通して世の中と向き合うスタンスを決めると瞬発力が得られる。また、固有名詞を抜いて構造を抽象化・客観的にする。次に掴んだ本質をスタンスと照らし合わせ、感情がどう反応したか、その理由を突き詰めることでオリジナリティを出す。最後に与えたい印象に応じて言い換えを行う。映画の感想、仕事がうまくいかない理由をシミュレーションするのもよい。

 これらの言語化を行う際、あれもこれもと盛り込むよりランキング化をするとよい。発展形として、これを相手目線にする。その他にも水平・垂直思考、比喩などのテクニックはあるが、下手でも発言すればよい。失敗しても正しくない案が出たという結果が得られる。引用やテンプレート(3つあって...)も有用なアプローチである。

 

第2章 印象に残る言葉、一生残る言葉をつくる

 印象に残るパンチラインをつくるには、短くシンプル、意外性、学び、すぐやれることが必要だ。さらに強い言葉を作るには、視点を上げる、一般化、逆張り、ゴールから逆算の4つのポイントがある。

 更に、常識は過去のものである可能性を考慮し、WHYを突き詰める。自分に関係ないことにコメントするには、個人的な感覚やエピソードを添える。PV数より実際に購入した、深く刺さった数が重要。

 

第3章 言葉で人を動かす

 言葉は変化を起こしてこそのものだ。人を動かすには、3つのポイントがある。

  1. 目的を明確にすること
  2. 目的に向かうプロセスを明確にすること
  3. 主語を複数にすること

 何を目標に、どこまでやればいいのかを明確にしつつ、一緒にやる姿勢を見せることだ。また、目標は数値で建てられがちだが、ビジョンがあった方がよい。

 言葉は関係構築にも有効であり、著者は相手方と対等な関係とわかる表現(提案→企画、修正→更新)を使っている。何気なく使う記事化、バズるといった言葉も短絡的な意図が透けて見えるため、言葉選びはセンシティブなものだ。

 多くの日本人は交渉、つまりお互いが欲しいものの探り合いがうまくない。交渉は戦いではなく、言葉を使ってより良い結論を導く共同作業だ。

 

第4章 言葉で未来を指し示せ

自分の幸福を言葉で定義している人は強い。同じ仕事でも、目指すビジョンを意識すると姿勢が変わる。過去の’出来事も今を戦い抜くための武器に変えることができる。同じく人生の目的を定義するには、何をしている時が一番楽しいかがで、今後変わる可能性があっても目的を信じることが強さに繋がる。

 

感想と意見、疑問

 著者は広告を取り扱う立場上、キャッチーで力のある言葉に主眼が置かれている。そういった強い表現を用いづらい、正確な言葉遣いが求められる場面のある技術職であっても、個人での言葉の使い方においては参考になる。

 特に幸福や人生の目的については役に立ちそうだ。これまで家を買う、仕事で海外に行く等々たくさんの目標を立ててはクリアしてきたが、今後はライフイベントにも乏しく、次の目標を立てられずにいる。また、仕事についても2-3年も続ければ慣れてしまって意義を見出せなくなることもある。その点で、著者の言い換えの技術や手法は有用だと考える。

Next Action

  • 今後の人生の目標を言葉にしてみる
  • より達成したくなる仕事の意義、目標を言葉にしてみる

よかった買い物記録

仕事柄人にモノやサービスをすすめることが多い。しかし、よく知っているほど欠点も分かってしまうので後ろめたいこともある。言った言わないになるのは困るので、もちろん懸念点は正直にお伝えするのだが、どうしたらお互い納得して買ってもらえるのか悩むことはままある。

話は変わるが、いい買い物をしたなと思うことが多い。最初から買うつもりだったものもあれば、全然その気がなかったものもある。共通するのは、やはりすすめてくれた人の言葉や体験で当初の不安が払拭できた点だ。そういう仕事がしたいので、よかった買い物を記録していきたい。

 

新築マンション

転職するときに勢い余ってマイホームを手に入れた。単純に押し入れで仕事するのが辛すぎたし、ちょうどいい歳だと思ったのだ。中古マンションや新築建売、注文住宅も見た上での決断だった。

最初のうちはリノベーションをするつもりだったが、予算感が良くなかったのかあまり話が進まなかった。建売は徒歩移動には厳しそうな立地だった。注文住宅は良さそうだったが、営業のレスポンスに難があってやめた。

そこで残ったのが新築マンションで、某マンション紹介の窓口のお姉さんが丁寧に暮らしぶりや出身地から絶妙にマッチする物件を探してくれ、2軒ほど回ってすぐ決まった。今住んでいるマンションの営業さんは、不安を解消するのがとても上手だった。騒音に敏感な我が家はファミリーマンションにいい思い出がない。それに対し、軒数が多いほどいい共用部を安く使える、親も安心のブランド、現地訪問時の静かさ、審査は通りそうなことなど、帰るころには「ここにしよう」と決められる材料を揃えていた。

おかげさまで入居1年経ってもギャップなく暮らせている。

 

HHKB Studio

自作キーボードが好きだが市販品のキーボードも買うことがある。偶然HHKBミートアップの申し込みができたのだが、現地で新製品の発表があるとわかった。実はその頃HHKBを買ったばかりでタイミング悪かったなあと思ったが、当日ものの見事に新作を背負って帰ることになった。

すごいなあと思ったのはイベントの構成で、OSやシチュエーションを問わず使える製品の特長に対して、使い方にぴったりのスピーカーをお招きしていたこと。そして、開発協力した自作キーボード界隈の有名人や、兼ねてからのHHKBファンのぶっちゃけトーク。既存製品からの移行時の不安点であるメカニカルスイッチやポインティングデバイスの使い心地などもしっかり触れられ、休憩時間は物販列も盛況に。

もう持ってるからいいかな...メカニカルスイッチはなあ...というおそらく古参のユーザが続々と青い袋をしょって帰っていくのは壮観だった。いろいろカスタムして便利に使っている。

 

リアルプロ(EP-MA120)

いつか家にマッサージチェアを置くのが昔からのあこがれだった。マッサージチェアといえば温泉や家電量販店で座れるものだとずっと思っていた。まさか自分の家に置くことになろうとは。

家電量販店のマッサージチェアコーナーは、コロナ以前こそ自由に試座ができたが、今は店員さんに声をかける必要がある。その以前のイメージがあってか、マッサージチェアはあったら嬉しいが、小柄な私にはあまり合わない、揉み球に持ち上げられてしまうと思っていた。

そんな頃、家族がいろいろと試座をしてきて、どうやらPanasonicがいいらしいと友人から聞きつけてきた。早速週末に量販店に行ってみると、いかにも熟練者っぽい販売員さんが揉み球が腰の下まで来てくれるのが新しいと教えてくれた。社内研修したばかりらしい。ほんとか~?と思って座ってみるとなるほどリモートワークで疲れた尻にたいへん効く。購入検討の意思を伝えると、これは普通の人に渡すのと違うからね、といい紙でできたパンフレットをいただいた。メーカー販売員の方がいるときに買うと専用マットもついてくる。それは嬉しくなってしまう。

きちんと部屋のサイズを測ったのち再訪すると、別メーカーの方曰く先日の販売員さんはいないという。結局別店舗で購入したので、お世話になったにも関わらず数字に貢献できなかった。これが棚ぼた案件か...と思いながらカードを切った。

使い始めて数か月たったがやはりリモートワークの疲れに効く。全在宅SE買った方がいい。

 

POD型vape

前職から発症した舌痛症がひどく、毎日ガムを噛んでいると顎が痛くなってきた。何か口に含んでおくとだいぶ楽なので、久々にvapeでもやるかと新しい端末を探し始めた。

そもそも最初のvapeは随分前の味の薄いペン型から始め、その後そこそこ手入れはいるが味のしっかりする爆煙MODを使っていた。当然ながら家はマスカットやエナジードリンクの匂いで充満した。

それから5年以上経ち、近所のvapeショップを開拓してみることにした。なんか路地裏っぽいけど大丈夫かな?と思いながら入ると接客が最高すぎてやっぱり一通りセットで買ってしまった。部屋で使うため煙少なめでよく手入れが少ない機種がほしいこと、匂い残りの少ないリキッドがいいことを伝えると、POD型は昔のペン型より味も出て扱いやすく、より香りにフォーカスしたリキッドがあることも教えてもらえた。実際のお手入れやパーツのセットもその場で教わり、すぐ簡単に使えるようになった。

おかげさまで最近は口の痛みも少なく、煙もほどほどで過ごせている。行ってみてよかった。

 

 

 

 

【読書記録1】世界一流エンジニアの思考法

読んだ理由

新年度の目標や方針を立てるにあたり、仕事の難易度に対して生産性を上げる必要が出てきたため。日頃のSEワークにおいて問題の本質にすぐ気付ける人と、そうでない私の違いは何なのかを確かめる。

 

著者

マイクロソフトのシニアSEでありながら三流エンジニアと自称している。ADHDの診断もあり、記憶力の重要でないエバンジェリストやPMスキルの方が高いとしている。

要旨

一流エンジニアはスペックの高さでできているわけではなく、思考法(マインドセット)、習慣の習得によって成るものである。

著者の主張

部分的に実行できていることも含まれているが、新しい気づきをメモ。

第1章 世界一流エンジニアは何が違うのだろう?

・メンタルモデルを使って仮説を立て証明し、その後手を動かす

・思いつきによる試行錯誤は悪である

・理解に時間をかける

理解とは構造を人に説明でき、即座に使えて、応用がきくこと。基礎練習に時間をかけることで、実践での解決が一直線になる。

・メンタルモデルとは、新しい状況に適用するための心の中のイメージや理論

著者は独自アレンジした「システム思考」でシステム全体の関連やフローをビジュアルイメージとして思考している。

 

第2章 アメリカで見つけたマインドセット

・Be Lasy、2割の仕事が8割の価値を生む、1番重要なものをピックアップする

・準備と持ち帰りをなくす、会議の場で完結できるようにする

・無理なく達成できるよう断りや方向転換で調整する

 

第3章 脳に余裕を生む情報整理・記憶術

・生産性はレベル1「ググらず実装できる」を増やすことで上がる

マルチタスクはしない、人に聞くなどして待ちにしておく

・説明可能にするにはブログに書く、コーネルメソッドノートを使う

・後で人に説明する前提だと、集中力や記憶力が向上し準備も減らせる

 

第4章コミュニケーションの極意

・情報量を減らす、聞かれたら追加する

・メモは他の人に伝える前提の形にする

・頻繁にクイックコールする

 

第5章 生産性を高めるチームビルディング

・各人の裁量の大きいサーバントリーダーシップ

・仕事を楽しんでいるか確認する文化

・アンブロックやキャリア支援のためのマネージャー

 

第6章 仕事と人生の質を高める生活習慣術

・各人が生産的な時間に働く

・定時で切り上げて生産性向上のために学習

・夜10時には寝る朝型生活で朝学習

・幸せだから成功する

・整理されすぐ取り出せる状態が完了

・30分の運動(HIIT、有酸素など)

 

第7章 AI時代をどう生き残るか?

・自分野でAIとアラインできるところを見つける

・時流に流されず専門性を磨く

・開発者の心を砕く批判文化が日本の課題

・今なすべきこと、Contributeを重視する

・自分の幸せを主体的に考え、仕事の仕方を選択する

 

感想と意見、疑問

   外資あるある、個人ベースではできていないことが詰まっており、振り返りにちょうどよかった。

   前半は特に個人レベルで変えられることを抜き出して実践できそうだ。後半は外資特有の文化なので体感済みで復習に近かった。国内企業の人はこれを実践できるのだろうか、少なくとも顧客をこの本のスタイルに変えるのは難しく、上がこのマインドを持てるかが肝だと感じた。

   特にADHDの特性からクイック&ダーティでも概略がつかめればできる仕事は得意というのは非常に共感でき、私自身も同様に講演や研修は得意だ。一方で、地道な理解が必要な長期プロジェクトやコーディングは大の苦手である。私は著者と異なりSE自体へのこだわりは薄いため、今後の道筋を決めるにあたって得意な方向に進むのか、方向転換をして基礎の理解を深めるべきかは更に検討したい。

   5章以降はありがたいことに現職場そのものなので「わかる」の一言に尽きる。私には合うものの、上から指示される文化に馴染んで合わない人も見かける。生活習慣も10時就寝で朝好きな時間に作業を進めており、運動ができていないことを除けばほぼそれである。

   AIは仕事柄絡むことが多いが、仕事がなくなるというよりは共存の仕方を地道に考えて試していくものだと考えている。協働のロードマップは個々人の中にもあるべきなのだが、なんでもやってくれるor仕事がなくなる、といった声は10年かかってもあまり変わらずで食傷気味。そんな間にも試している人は前進しているのだなあ。

 

Next Action

「その場に集中する」「調べずできることを増やす」の2点。本書だと以下が該当する。

・準備と持ち帰りをなくす、会議の場で完結できるようにする

・生産性はレベル1「ググらず実装できる」を増やすことで上がる

・後で人に説明する前提だと、集中力や記憶力が向上し準備も減らせる